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薬学教育モデル・コアカリキュラム(2015年度版)について

薬学教育モデル・コアカリキュラムとは

「薬学教育モデル・コアカリキュラム」は、教育、教育者が何を教えるかの科目・項目の記載ではなく、学生さんの到達目標が記載された6年制薬学教育カリキュラムです。
「薬学教育モデル・コアカリキュラム」は、医療人である「薬剤師として求められる資質」を明確にし、その資質を身につけるために学ぶという6年制学部・学科の学士課程に特化した内容になっています。
日本全国の6年制薬系大学では、教育課程の時間数の7割は「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に示された内容を履修し、残りは大学オリジナルの教育(アドバンスト教育)を履修します。
2015年度(平成27年度)から各大学において改訂モデル・コアカリキュラムに基づく新たな教育を開始しています。

臨床現場に出るための最低限の知識と技能が身についているかどうかを確認するための4年次共用試験(CBT・OSCE)や6年卒業後に受験する薬剤師国家試験の出題基準は、この「薬学教育モデルコアカリキュラム」に基づいているため、この内容を理解することは重要です。

参考:文部科学省「薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)」はこちら(PDF形式)

医療人である「薬剤師として求められる基本的な資質」

豊かな人間性と医療人としての高い使命感を有し、生命の尊さを深く認識し、生涯にわたって薬の専門家としての責任を持ち、人の命と健康な生活を守ることを通して社会に貢献することを踏まえ、6年制薬系大学卒業時に必要とされている資質は以下の通り定められています。

①薬剤師としての心構え 医療の担い手として、豊かな人間性と生命の尊厳について深い認識をもち、人の命と健康な生活を守る使命感、責任感および倫理感を有する。
②患者・生活者本位の視点 患者の人権を尊重し、患者及びその家族の秘密を守り、常に患者・生活者の立場に立って、これらの人々の安全と利益を最優先する。
③コミュニケーション能力 患者・生活者、他職種から情報を適切に収集し、これらの人々に有益な情報を提供するためのコミュニケーション能力を有する。
④チーム医療への参画 医療機関や地域における医療チームに積極的に参画し、相互の尊重のもとに薬剤師に求められる行動を適切にとる。
⑤基礎的な科学力 生体および環境に対する医薬品・化学物質等の影響を理解するために必要な科学に関する基本的知識・技能・態度を有する。
⑥薬物療法における実践的能力 薬物療法を総合的に評価し、安全で有効な医薬品の使用を推進するために、医薬品を供給し、調剤、服薬指導、処方設計の提案等の薬学的管理を実践する能力を有する。
⑦地域の保健・医療における実践的能力 地域の保健、医療、福祉、介護および行政等に参画・連携して、地域における人々の健康増進、公衆衛生の向上に貢献する能力を有する。
⑧研究能力 薬学・医療の進歩と改善に資するために、研究を遂行する意欲と問題発見・解決能力を有する。
⑨自己研鑽 薬学・医療の進歩に対応するために、医療と医薬品を巡る社会的動向を把握し、生涯にわたり自己研鑽を続ける意欲と態度を有する。
⑩教育能力 次世代を担う人材を育成する意欲と態度を有する。

 

「薬剤師として求められる基本的な資質」を前提とした学習成果(卒業目標)を設定

「薬剤師として求められる基本的な資質」を身につけるための「一般目標(GIO)」を設定し、GIOを達成するための「到達目標(SBO)」を明示しています。

大項目 内容
A 基本事項 (1)薬剤師の使命
(2)薬剤師に求められる倫理観
(3)信頼関係の構築
(4)多職種連携協働とチーム医療
(5)自己研鑽と次世代を担う人材の育成
B 薬学と社会 (1)人と社会に関わる薬剤師
(2)薬剤師と医薬品等に係る法規範
(3)社会保障制度と医療経済
(4)地域における薬局と薬剤師
C 薬学基礎 物理・化学・生物
C1 物質の物理的性質
C2 化学物質の分析
C3 化学物質の性質と反応
C4 生体分子・医薬品の化学による理解
C5 自然が生み出す薬物
C6 生命現象の基礎
C7 人体の成り立ちと生体機能の調節
C8 生体防御と微生物
D 衛生薬学 D1 健康
D2 環境
E 医療薬学 E1 薬の作用と体の変化
E2 薬理・病態・薬物治療
E3 薬物治療に役立つ情報
E4 薬の生体内運命
E5 製剤化のサイエンス
F 薬学臨床 早期臨床体験(2年次修了まで)
実務実習履修前の学修
G 薬学研究 卒業研究について明文化
(1)薬学における研究の位置づけ
(2)研究に必要な法規範と倫理
(3)研究の実践

【参考:薬学共用試験(CBT・OSCE)について】

【参考:薬剤師国家試験出題基準】

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