2029年度以降の薬剤師国家試験(第115回以降の薬剤師国家試験)が変わる!?
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2029年度以降の薬剤師国家試験(第115回以降の薬剤師国家試験)が変わる!?
2025年(令和7年)12月26日に開催された厚生労働省「医道審議会薬剤師分科会 薬剤師国家試験制度改善検討部会」にて、社会的背景の変化及び薬学教育の変化への対応を図るため、薬剤師国家試験の改訂に関する基本的方向性等について意見を取りまとめた基本方針が策定されました。
現在の文部科学省「薬学教育モデル・コアカリキュラム(令和4年度改訂版)」では、科目や領域を超えた統合的理解力及び応用力が求められており、薬剤師の実務に即したより実践的な教育内容となっている。そのため今回の薬剤師国家試験の改訂では、その内容に準じて、薬剤師国家試験でも従来以上に発展的かつ統合的理解を問う形式での出題を求める内容になる。
【参考:薬学教育モデル・コアカリキュラム】
薬学教育モデル・コアカリキュラムとは 「薬学教育モデル・コアカリキュラム」は、教育、教育者が何を教えるかの科目・項目の記載(教育者主体のカリキュラム)ではなく、学生さんの到達目標が記載された6年制薬学教育カリキュラム(学生主体のカリキュラム)です。 「薬学教育モデル・コアカリキュラム」は、医療人...
改訂モデル・コア・カリキュラムについては、2024年度(令和6年度)の薬学部入学生から適用されているところ、当該学生が初めて受験する第115回薬剤師国家試験(2029年度(令和11年度)実施)から以下記載の事項が適用されます。今後の試験内容や結果、モデル・コア・カリキュラムの改訂状況等を踏まえて、定期的な見直しも検討されます。
2029年度以降の薬剤師国家試験(第115回以降の薬剤師国家試験)改訂のポイント
| 【ポイント1】 | 「社会と薬学」、「基礎薬学」、「医療薬学」、「衛生薬学」、「臨床薬学」の5科目に改められる |
| 【ポイント2】 | 「複合問題(従来の連問)」は、組み合わせる科目に制限がなくなる 例)基礎薬学-医療薬学(薬剤)-臨床薬学-社会と薬学など |
| 【ポイント3】 | 問題数が335問へ → 総合的理解を問う出題が増加しているため、一問あたりの回答時間を確保する必要性から現行の複合問題の出題数を10問削減 |
| 【ポイント4】 | 「医療薬学」の必須問題の合格基準(足切りライン)の制定 → 必須問題について、「医療薬学」においては従来の「薬理」「薬剤」「病態・薬物治療」を参考に分類したものとし、それぞれについて30%以上の配点であることとされる |
2029年度以降の薬剤師国家試験(第115回以降の薬剤師国家試験)の改訂事項
1.試験科目
現行の薬剤師国家試験における科目(7科目)は、「物理・化学・生物」、「衛生」、「薬理」、「薬剤」、「病態・薬物治療」、「法規・制度・倫理」、「実務」としているが、改訂モデル・コア・カリキュラムの大項目B-Fに対応した「社会と薬学」、「基礎薬学」、「医療薬学」、「衛生薬学」、「臨床薬学」に改める。
| 新試験科目 | 旧試験科目 |
| 社会と薬学 | 法規・制度・倫理 |
| 基礎薬学 | 物理・化学・生物 |
| 医療薬学 | 薬理 |
| 薬剤 | |
| 病態・薬物治療 | |
| 衛生薬学 | 衛生 |
| 臨床薬学 | 実務 |
2.試験出題形式及び解答形式
・試験は、正答肢を選択する問題(一問一答形式、正答の設問肢が一つではない形式又は解答肢のすべての組合せの中から正答肢を選択する形式)を基本とする。特に「必須問題」の場合にあっては、設問の正誤を一問一答形式で問うことを基本とする。
・薬剤師としての実践的能力をより適切に評価することを目的とするため、「複合問題(従来の連問)」の作問にあたっては、組み合わせる科目に制限を設けない。ただし、複合問題における科目組み合わせの自由度が高くなることにより、年度ごとの科目別出題数の急激な変化を避けるため、複合問題における科目別出題数は現行の配分が概ね踏襲される。
・「複合問題(従来の連問)」は一般問題(薬学実践問題)で出題することとし、必須問題及び一般問題(薬学理論問題)は単問のみの出題とする。
・薬剤師として選択すべきでない選択肢(いわゆる「禁忌肢」)を含む問題について、引き続き出題することとする。
3.試験問題数
総合的理解を問う出題が増加しているため、―問あたりの回答時間を確保する必要性から現行の複合問題の出題数を10問削減する。
そのため試験問題数は、「必須問題」が90問、「一般問題(薬学理論問題)」が125問、「一般問題(薬学実践問題)」が120問、合計335問とし、その内訳は次表のとおりです。なお、一般問題(薬学実践問題)は複合問題のみ出題される。出題数の配分は、概ね従来の科目別出題数と同等とする。
| 科目 | 問題区分 | 出題数計 | ||
| 必須問題 | 一般問題 | |||
| 薬学理論問題 | 薬学実践問題 | |||
| 社会と薬学 | 10問 | 10問 | 120問(複合問題) | |
| 基礎薬学 | 15問 | 30問 | ||
| 医療薬学 | 45問 | 45問 | ||
| 衛生薬学 | 10問 | 20問 | ||
| 臨床薬学 | 10問 | 20問 | ||
| 出題数計 | 90問 | 125問 | 120問 | 335問 |
4.合格基準
<合格条件:以下のすべてを満たすこと。なお、禁忌肢の選択状況を加味する。>
1)問題の難易を補正して得た総得点について、平均点と標準偏差を用いた相対基準により設定した得点以上であること。
2)必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する一定の項目(※)ごとの得点がそれぞれ配点の30%以上であること。
※ 「構成する一定の項目」とは、概ね一試験科目を一項目とするが、「医療薬学」においては従来の「薬理」「薬剤」「病態・薬物治療」を参考に分類したものとし、それぞれについて30%以上の配点であること。
5.過去に出題された試験問題(既出問題)の取扱い
既出問題(過去問)のうち、薬剤師に必要な資質を的確に確認することが可能な良質な問題として一定の評価が与えられた問題について、薬剤師国家試験の質担保の観点から、積極的に利活用することとし、その割合は、20%程度とする。なお、出題基準の改定等を行った場合について、それ以前に出題された試験問題も再利用可能として差し支えない。
【参考:薬剤師国家試験とは】

