昔のおくすり「せきどめ」
こんにちは、薬学個別指導/薬学オンライン家庭教師・自習スペース・イベントスペース運営の「Commew(コミュー)」です。
昔のおくすりのパッケージ、ラベルや薬袋をご紹介します。
昔のおくすりのパッケージに描かれているイラストやキャッチは、多少いきすぎており現代の法律にかかりそうなものもありますが、レトロで今見ると斬新です。
(情報は可能な限り精査して掲載しておりますが、お気づきの点等がありましたらご教授ください)
製品名:せきどめ
製造:滋賀県製薬株式会社
年代:1880年~1930年:明治〜大正
当製品は、「鎮咳 解熱」と記載されている通り、シンプルですがその用途は分かりやすいです。
成分として、鱗酸ヒドロコデイン(リン酸ヒドロコデイン)、アセトアニリド、乳糖、アジポニン(アディポニン)が含まれています。
アセトアニリドは、塩化アセチルまたは無水酢酸とアニリンとの反応で得られる物質で、最初の合成解熱剤として知られていますが、血球の破壊、痙れんなどの中毒作用が強いため、現在ではあまり使用されなくなりました。現在は有機化合物の合成原料、染料、過酸化水素の安定剤として用いられます。
また、当製品で特徴的なことは「売薬印紙」が付いていることです。
1882(明治15)年から、西洋医学を重んじた明治政府は、江戸時代から続く無効な売薬(市販薬)を減らす目的で売薬印紙税を課したとされています。
売薬印紙税は顧客(消費者)ではなく製造業者にかかる税で、製造業者が売薬印紙を購入して製品に貼付します。1926(大正15)年に当税制は廃止になりましたが、配置売薬業者は顧客(消費者)へ無料で預けておく製品分まで税を負担する事態となり衰退を招いてしまいました(参考1)。
百日咳ワクチン接種が我が国では1950(昭和25)年から「予防接種法」によって開始されたことを考えると、効能に、“百日咳”の記載があることは当時の発生に対する価値を感じますね。
参考1)薬業 近代化を支えた小さな印紙-売薬印紙-(内藤記念くすり博物館)
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