この化学構造の医薬品は何でしょうか?
こんにちは、薬学個別指導/薬学オンライン家庭教師・自習スペース・イベントスペース運営の「Commew(コミュー)」です。
今回はいきなり問題です!
「この化学構造の医薬品は何でしょうか?」
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正解:アセトアミノフェン
構造式の右上から「アセチル基」「アミノ基」「フェノール」と、3つのブロックに分けて考えると覚えやすいかもしれませんね。
3つのパーツ名を足して、「アセチルアミノフェン」、つまり「アセトアミノフェン」です。
医療用ではこのアセトアミノフェンを成分とする医薬品である「カロナール」が有名です。
カロナールは解熱鎮痛剤であり、錠剤のほか、坐薬や粉薬、シロップなど多くの種類があります。
15歳以上の方だけでなく、赤ちゃんや授乳中の方でも服用できる成分であり、幅広く使用されています。
ちなみに、一般的なNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は副作用である胃腸障害が問題になることが多いですが、アセトアミノフェンは胃腸障害が少ないとされています。
これも幅広く使用される理由の一つです。
ではここで、続けて問題です。
「アセトアミノフェンは、なぜNSAIDsと比べて胃腸障害が少ないのでしょうか?」
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正解:アセトアミノフェンは、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害作用がNSAIDsに比べて弱いためです。
NSAIDsによる胃腸障害は、NSAIDsが胃粘膜に存在する内因性COX(COX-1)を阻害することで、胃粘膜保護作用を有するプロスタグランジン(PG)、とりわけPGE2の合成を阻害することによります。
それに対して、アセトアミノフェンはCOXの阻害効果をほとんど持たず、視床下部の体温調節中枢に作用して表在毛細血管を拡張させることにより、解熱作用を発揮すると考えられています。
その結果、アセトアミノフェンは、NSAIDsに比べて胃腸障害が少なくなります。
ちなみに、アセトアミノフェンの鎮痛作用は、視床および大脳に作用し、痛覚閾値を上昇させる経路によると推定されています。
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